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第一話レビュー

「面白ければなんでもあり!」──『Rio RainbowGate!』の魅力はスタッフもキャストも大暴走して生まれた過激なギャグだった!? カジノを舞台に弾ける大バトルの魅力をキミも目撃せよ!

キミは「勝利の女神」を目撃したか!

 筆者自身はいわゆる「萌えスロ」に手は出していないクチだが、「Rio」と「海物語」という二作については、兼ねてより友人知人その他もろもろとの会話の中にその名前が上がることが多く、とりわけ「Rio」についてはその魅力を熱弁されることも度々あった。そして実際、清潔さと色気が絶妙に同居する「Rio」のイラストは、『ときめきメモリアル』で産湯を浸かり、『同級生2』に育てられ、美少女ゲーム・イラストの世界で無駄に目を肥やしてきた自分にとってもかなりグッとくる感じであった。

  そんなわけであるからして、アニメ化の報を聞いたときには、さぞかし美少女ものの王道を歩むような作品として送り出されてくることを予想したものである。ところがどっこい、いざ1話で蓋を開けてみると
 「こう来たか!」
といったところ。セクシーなサービスシーンあり、派手なアクションシーン(悪漢に襲われたリオの立ち回りのキレの良さったら、さすがジーベック!)あり、思わず椅子から転げ落ちるギャグあり。フランス料理を食べにいったつもりが、でてきたのは具沢山、高級志向のとんこつラーメンでした、みたいな感じ。親しみやすくて、でもゴージャス、美味いぜ! と。

 筆者は一応アニメに詳しい(ことになっている)ライターなので、もう少し俯瞰で捉えた話もしたい。で、先述した比喩に引きずられるわけでもないけれど、本作のアニメ史における位置づけを考えたとき、ジャンル的には、グルメもののアニメに近いのではないかと思ったわけである。具体的には『ミスター味っ子』とか『美味しんぼ』とか『OH!MYコンブ』とか『中華一番!』とか『焼きたて!!ジャぱん』とかいった作品に近いのではないか、と。権威ある料理評論家が料理を一口食べるやいなや口中からビームを迸らせ「う、美味いぞー!」の言葉とともに夢幻の世界を駆け巡る。はたまた、「なんちゅうもんを……なんちゅうもんを食べさせてくれるんや」と地位も名誉もある金持ちが料理の味に故郷を思い出して涙を流す。そんな、シリアスとギャグの境を軽やかに舞い、視聴者の感情を揺さぶる数々の名作群を、クライマックスの勝負におけるド派手なイメージシーンから思い出したのである(『そらのおとしもの』の「空飛ぶパンツ」で一躍名を馳せた新進気鋭のスタジオ・サンジゲンによるアメイジングなCGが素晴らしい)。

 今後シリーズが進む中で、どれだけ鮮烈なイメージを魅せつけてくれるのかが楽しみである。

 

 ……え、何? これで終わっちゃだめなの? 綺麗にまとまったじゃない。
エコロジ「らしくないですよ。そんなカッコつけた書き方で〆ないでください。『俺の嫁』宣言とかしたらいいんじゃないかな!」

 お前は何を言って(以下略)。いや、ちょっと悩むけど、そこはやっぱりリオですわ。作品を引っ張る「勝利の女神」! 「嫁」というか女神ね。俺の人生もあやかりたいっすわ~。毎週観たらきっとご利益ありますよね! そんなところも期待します!

PROFILE
前田久(まえだ・ひさし)
82年生。ライター。通称"前Q"。主な執筆媒体に「オトナアニメ」(洋泉社)。
「コミックフラッパー」(メディアファクトリー)でコラム「映画@アニメ」連載中。

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